HYROXのペース配分は、「8本の1kmを全部同じ速さで走ればいい」というほど単純ではありません。
1kmランの間には、SkiErg、Sled Push、Sled Pull、Burpee Broad Jumpsなど8つのワークアウトが入ります。
そのため重要なのは、単独で走れる1kmの速さではなく、ワークアウトを挟みながら最後まで維持できるペースです。
このページでは、HYROX公式の競技順を確認したうえで、8本のランと8種目をどう配分して考えるかを整理します。
HYROX ペース配分の基本
最初の1kmではなく、Wall Ballsまで含めて考える
- Run 1だけ速く走らない
- Sled後のペース低下を想定する
- ワークアウトも全力で飛ばしすぎない
- 最後のWall Ballsに動ける余力を残す
- HYROXのペース配分はどう考える?
- 最初に決めるのは「1kmの最速ペース」ではない
- Run 1|最初の1kmはどう走る?
- Run 2|SkiErg後はペースを戻す
- Run 3・4|Sled後はタイムだけを追わない
- Run 5|Burpee Broad Jumps後は呼吸を整える
- Run 6|Row後も一定のランへ戻す
- Run 7|Farmers Carry後もペースを崩さない
- Run 8|最後の1kmでもWall Ballsを忘れない
- ワークアウトもペース配分する
- Wall Ballsは何回ずつ分ける?
- 目標タイムからペースを逆算するには?
- 初参加ならどんな配分にする?
- ペース配分で避けたい5つの考え方
- OpenとProでペース配分は変わる?
- Doublesのペース配分はどう考える?
- レース前に確認したいペース配分
- HYROXペース配分のよくある質問
- 次に確認する
- 情報の確認先
HYROXのペース配分はどう考える?
HYROXでは、1kmランとワークアウトを交互に8回繰り返します。
公式の競技順は次の通りです。
1km Run → SkiErg
1km走ったあと、1,000mのSkiErgを行います。
1km Run → Sled Push
2本目の1kmランのあと、Sled Pushへ進みます。
1km Run → Sled Pull
3本目のランのあと、Sled Pullを行います。
1km Run → Burpee Broad Jumps
4本目のランのあと、80mのBurpee Broad Jumpsへ進みます。
1km Run → Row
5本目のランのあと、1,000mのRowを行います。
1km Run → Farmers Carry
6本目のランのあと、200mのFarmers Carryへ進みます。
1km Run → Sandbag Lunges
7本目のランのあと、100mのSandbag Lungesを行います。
1km Run → Wall Balls
最後の1kmランのあと、100回のWall Ballsを終えてフィニッシュです。
公式の競技形式
HYROXは8本の1kmランと8つのワークアウトで構成
HYROXは8本の1kmランと8つのワークアウトで構成されています。
EIGHT PREPの分析
ラン単体ではなく、次のワークアウトまで含めて配分する
ラン単体の最速ペースではなく、次のワークアウトまで含めて配分する方が、レース全体を組み立てやすくなります。
最初に決めるのは「1kmの最速ペース」ではない
HYROXのペースを考えるとき、5kmや10kmの自己ベストからそのまま1kmペースを決めるのはおすすめしません。
HYROXでは、Run 2以降は必ずワークアウトを終えた状態から走ります。
HYROX公式の準備情報でも、SledやBurpee Broad Jumpsなどのあとに走ることを想定し、脚や全身に負荷がかかった状態でランニングする経験を積むことが勧められています。
EIGHT PREPの分析
基準にするのは「疲労した状態でも繰り返せる1km」
単独の1kmタイムではなく、ワークアウトと1kmランを交互に行う練習で、後半まで大きく崩れないペースを探す方が実戦的です。
Run 1|最初の1kmはどう走る?
Run 1は、8本の中で唯一、ワークアウトをしていない状態からスタートします。
体力が残っているため速く走りやすい区間ですが、ここで出したタイムがそのまま8本続くとは限りません。
EIGHT PREPの分析
Run 1は「速さを稼ぐ区間」ではなく「基準を作る区間」
スタート直後に予定以上まで上げるより、自分が想定していたレースペースへ落ち着いて入る方が、その後のSkiErg、Sled Push、Sled Pullまで組み立てやすくなります。
特に初参加では、会場の雰囲気や周囲の選手につられてペースを上げるのではなく、練習で確認した強度を基準にします。
Run 2|SkiErg後はペースを戻す
1,000mのSkiErgを終えたあとにRun 2へ入ります。
SkiErgは上半身だけではなく、効率よく行えば下半身も使う全身運動としてHYROX公式に説明されています。
EIGHT PREPの分析
Run 2で「今日の実際のランペース」を確認する
Run 1より呼吸や脚の状態が変わっているため、ここで予定ペースを無理なく維持できるかを確認します。Run 2ですでに苦しい場合は、その後のSled区間を考えてペースを上げすぎない方が安全です。
Run 3・4|Sled後はタイムだけを追わない
Run 3はSled Pushのあと、Run 4はSled Pullのあとに走ります。
HYROX公式では、Sled Pushは下半身、Sled Pullは臀部・背中・腕・体幹などを使うワークアウトとして説明されています。
そのため、この2本はRun 1と同じ感覚で走れない可能性があります。
EIGHT PREPの分析
走り始めの遅さを焦って取り戻さない
Sled直後に脚が重い場合、最初から予定ペースへ無理に戻そうとすると、さらに負荷が上がります。まず走れるリズムを作り、その後に自分の基準ペースへ戻せるか確認します。
1kmごとの数字を完全にそろえることより、8本合計で大きく崩れないことを優先します。
Run 5|Burpee Broad Jumps後は呼吸を整える
4つ目のワークアウトは80mのBurpee Broad Jumpsです。
HYROX公式の準備ページでも、Burpee Broad Jumpsでは心拍数が上がることに触れられています。
EIGHT PREPの分析
Run 5は「取り返す」より「戻す」
Burpee Broad Jumpsで呼吸が大きく乱れた場合、Run 5の序盤で一気に加速して失った秒数を取り返そうとせず、走れる呼吸とリズムへ戻していきます。
ここでレースは後半へ入ります。
Run 6|Row後も一定のランへ戻す
1,000m RowのあとがRun 6です。
Rowを速く終えればワークアウトの時間は短くなりますが、その強度が高すぎれば、直後のランにも影響します。
EIGHT PREPの分析
Rowだけのベストタイムを狙わない
HYROXではRowを終えた時点でレースは終わりません。Row単体の速さより、そのままRun 6へ移って走り続けられる出力を練習で確認しておく方が実用的です。
Run 7|Farmers Carry後もペースを崩さない
200mのFarmers Carryを終えたあとがRun 7です。
HYROX公式では、Farmers Carryは上背部、体幹、握力などを使うワークアウトとして説明されています。
EIGHT PREPの分析
後半でも「速くする」より「落とさない」
Run 7まで来ると累積疲労が大きくなります。ここで急にペースアップするより、Run 2〜6で作った範囲を維持できるかを優先します。
Run 8|最後の1kmでもWall Ballsを忘れない
Sandbag Lungesのあとに、最後のRun 8があります。
ここを走り終えればランニングは終了しますが、レース自体はまだ終わりではありません。
最後には100回のWall Ballsが残っています。
EIGHT PREPの分析
Run 8で全部使い切らない
Wall Ballsに十分な余力があると練習で確認できている場合は、後半からペースを上げる選択肢があります。一方、Wall Ballsが大きな課題なら、Run 8の最後だけを速くするより、フォームを維持できる状態で最終種目へ入る方が全体タイムをまとめやすくなります。
ワークアウトもペース配分する
HYROXのペース配分というとランニングだけを考えがちですが、ワークアウト側の強度も全体タイムに影響します。
1つの種目を数秒速く終えても、その後の1kmランが大きく遅くなれば、レース全体では得にならない場合があります。
最初から上げすぎない
1,000mを終えたあとに7本のランと7種目が残ります。単独のSkiErg記録ではなく、その後も動ける出力を基準にします。
止まる時間も含めて考える
必要以上に急いで長い休憩が必要になるより、自分が継続できる進め方を練習で確認します。
一定の動作リズムを作る
序盤だけ速くするより、80mを通して維持できる動作テンポを探します。
Run 6までセットで考える
Row単体を全力で終えるのではなく、その直後に1km走れる出力を基準にします。
握力の消耗を管理する
持てる距離と休むタイミングを、使用重量で事前に確認しておきます。
Run 8まで含める
100mのLungesだけで力を使い切らず、その後の最後の1kmランまで続けられるリズムを考えます。
最後まで成立するセットを決める
100回をどのように分けるかは、練習で再現できる回数をもとに決めます。
注意
上の配分は公式ルールではなく、EIGHT PREPの分析です
HYROX公式が全参加者に共通するワークアウトペースを指定しているわけではありません。自分の競技レベルと練習結果から調整してください。
Wall Ballsは何回ずつ分ける?
最後のWall Ballsは100回です。
ここで重要なのは、見栄えのいいセット数ではなく、本番でも再現できる回数で区切ることです。
例えば練習で25回を安定して繰り返せる人なら25回単位も候補になりますが、25回目で毎回限界になるなら、もっと早く区切った方が結果的に止まる時間を短くできる可能性があります。
公式ルール
無効になったWall Ballは回数に入りません
HYROXの審判向け公式情報では、Wall Ballsの無効な反復はカウントされないと案内されています。
EIGHT PREPの分析
限界になってから休むより、予定した休憩を使う
疲労した状態でも動作基準を守れることが重要です。例えば「何回できるか分からないまま続ける」のではなく、練習で決めたセット数と短い休憩を基準にする方が、本番での判断を減らせます。
目標タイムからペースを逆算するには?
目標タイムがある場合でも、単純に「目標タイム÷8km」でランペースを決めることはできません。
レース時間には8本のランだけでなく、8ワークアウトと各エリアを移動する時間も含まれるからです。
目標完走時間を決める
過去のResultや平均タイムを参考に、自分の現実的な時間帯を考えます。
8種目の実測時間を取る
練習で各ワークアウトにどれくらいかかるか確認します。
疲労した状態のランを測る
ワークアウト後の1kmを複数回行い、維持できる範囲を確認します。
本番用の幅を作る
1kmを毎回まったく同じ秒数に固定せず、多少前後しても8本をまとめられる範囲を決めます。
初参加ならどんな配分にする?
初めてHYROXに出る場合は、過去の自分のHYROXスプリットがありません。
そのため、細かい秒数まで設定するより、まず「最後まで大きく崩れないこと」を優先した方が計画を立てやすくなります。
Run 1〜2
予定より速く入りすぎず、呼吸と動作に余裕がある状態を確認します。
Run 3〜6
SledやBurpeeなどの疲労を受けながら、自分の基準ペースへ戻すことを優先します。
Run 7〜8
残りの体力を確認しながら、Sandbag LungesとWall Ballsまで含めて調整します。
EIGHT PREPの分析
初参加では「前半で貯金を作る」考え方を基準にしない
序盤に予定以上の速度で稼いだ時間が、後半の大幅な失速につながれば意味がありません。まずは練習で確認できたペースの再現を優先します。
ペース配分で避けたい5つの考え方
Run 1で周囲についていく
周囲の選手と自分の目標タイムや能力は同じとは限りません。
10kmのペースをそのまま使う
HYROXでは1kmごとにワークアウトが入るため、通常の10kmロードレースとは条件が違います。
ワークアウトごとに全力を出す
1つの種目だけでなく、その後のランと残りの種目まで含めて考えます。
遅れを次の1kmですぐ取り返す
一度の遅れを急激なペースアップで取り返そうとせず、全体の配分を優先します。
Wall Ballsの余力を考えない
Run 8が終わっても、100回のWall Ballsが残っています。
OpenとProでペース配分は変わる?
競技順は共通ですが、ProではSledやFarmers Carry、Sandbag Lunges、Wall BallsなどでOpenより重い重量が設定されています。
そのため、同じ選手でもOpenとProで同じペース計画になるとは限りません。
EIGHT PREPの分析
Proでは特にワークアウト後のランを練習で確認する
重いワークアウトによる影響を想像だけで決めず、出場部門の重量に近い条件で練習し、その後の1kmをどの程度で走れるか確認してペースを決めます。
Doublesのペース配分はどう考える?
HYROX Doublesでは、2人とも8本の1kmランを走り、各ワークアウトは2人で分担します。
つまりDoublesでは、個人のランペースだけでなく2人で維持できるランペースとワークアウトの分担を合わせて考える必要があります。
公式ルール
Doublesはランを一緒に走り、ワークアウトを分担する
HYROX公式では、Doublesはペアでランニングを行い、ワークアウトの負荷を2人で分ける形式として案内されています。
EIGHT PREPの分析
速い方のランペースではなく、2人で再現できるペースを基準にする
ワークアウトの得意・不得意も含めて、どちらがどの種目を多く担当するかを事前に試し、その分担でも8本のランを一緒に維持できるか確認します。
レース前に確認したいペース配分
本番前に、少なくとも次の項目は練習で確認しておきます。
最初の1km
興奮していても予定した強度で入れるか。
Sled後の1km
脚が重い状態からどの程度で走りへ戻れるか。
Burpee後の1km
呼吸が上がった状態でどの程度のペースを維持できるか。
Lunges後の1km
疲労した脚でも最後のランを続けられるか。
Wall Balls
Run 8後でも再現できるセット数を決めているか。
HYROXペース配分のよくある質問
8本の1kmは同じペースで走るべきですか?
必ず同じタイムにする必要はありません。各ランの前に行うワークアウトが異なるため、多少の差を前提に、8本全体で大きく崩れないペースを考えます。
10kmの自己ベストからHYROXペースを決められますか?
参考にはできますが、そのまま使うことはできません。HYROXでは1kmごとにワークアウトが入り、通常の10kmレースとは条件が異なります。
最初の1kmは遅めに走った方がいいですか?
万人共通の指定ペースはありません。ただし、Run 1だけが大幅に速くならないよう、練習で決めたレース強度へ落ち着いて入る考え方が実用的です。
Sled後にペースが落ちても大丈夫ですか?
Sled後はRun 1とは身体の状態が異なります。1kmごとの数字をそろえるために無理に加速するより、その後も維持できるペースへ戻すことを優先します。
最後の1kmは全力で走っていいですか?
最後には100回のWall Ballsがあります。Wall Ballsまで含めて余力があると練習で確認できている場合に、終盤のペースアップを検討します。
公式のペース配分はありますか?
今回確認したHYROX公式情報では、全参加者に共通する1kmごとの目標ペースは確認できませんでした。公式では競技順、距離、重量、動作基準などが定められています。
次に確認する
情報の確認先
競技順、距離、回数、Doublesの競技形式などはHYROX公式情報を優先しています。ペース配分については公式ルールとして定められていないため、記事内ではEIGHT PREPの分析であることを明記しています。
HYROX公式
参考情報
RunnaはHYROX公式Training Partnerとして案内されており、ワークアウト後の重い脚で走ることを想定したトレーニングについて参考にしています。
最終確認日
2026.10.29
HYROXの競技順、8×1kmラン、各ワークアウトの距離・回数、OpenとProの違い、Doublesの基本形式、Wall Ballsの有効反復について公式情報を確認しています。
ペース配分は競技レベル、出場部門、ランニング能力、ワークアウト能力によって異なります。本記事のペース戦略部分は公式指定ではなく、競技形式をもとにしたEIGHT PREPの分析です。


